つなわたり/ロープウェイに乗ろう

韓国バスの旅(’97年:勤務先部内報、ペンギンIsLandNo.3へ寄稿)

最近、長い休みが取れると海外に行く事が多い。

ところで、読者の方々は海外旅行などに行くとどのような手段で移動するのだろうか。私は個人的にはタクシーは余り好きではなく、海外旅行へ行くとなんだかんだ言いながら、結局は路線バスを利用してしまうのである。特に東南アジアではたいていタクシーに乗る前に値段交渉というものが待っており、そんなものでいちいち一喜一憂していてはすぐに疲れてしまう。その点路線バスは気安くていい。ただ間違えて乗るととんでもない所に連れていかれてしまうので困りものなのだが、それもまた旅として素直に受け入れればの世の中こんな楽しい乗り物はない?

さて、路線バスというのは、お国柄が顕著に現れるものであると思う。混沌とした国には混沌とした路線バスシステムがあり、整然とした国にはそれなりのシステムがある。韓国(ソウル)のそれは、わりと整然としたほうに入るのだろうか?大きく分けて4種類のバスが走っている。それらは、市内バス、座席バス、市外バス、高速バスである。初めの2つは主に市内を走り、後の2つは都市と郊外あるいは地方都市を結んでいる。その他のものは大体想像がつくと思われるが、座席バスとはなんじゃい?とくる(はずである)。座席バスとは市内バスでありながら定員乗車を守るもので、快適なソウルの通勤手段の代表格である。その代わり料金は市内バスの倍以上なのだが…

私は一番近い外国ということもあってか、韓国には何回か行った。特に一番初めに韓国で路線バスに乗った時の衝撃は、未だに忘れられない。それは日本のそれとは180度違っていたからである。日本では普通、路線バスは道路の端っこをおとなしーく走るのが常である。しかーし、韓国ではバスは道路の王様であり、クラクションと急な加減速によって、自家用車をけちらしながらアクセルを目一杯踏み込み飛ばせる限りを尽くして飛ばす、これが韓国式だ!

韓国(ソウル)の市内バス

韓国(ソウル)の市内バス

韓国(ソウル)の座席バス

韓国(ソウル)の座席バス

また、それに乗るときはバス停で待っていてはいけない、おとなしくバス停で待っているとバスは通過してしまうからだ。では、どうするのか?それは目的のバスを見たら一目散にそれの入口に向かって走っていかねばならないのである。また、時にはわからないこともある。ある時、私はソウル近郊のバスターミナルで目的地まで切符(W1380)を買い、乗るべき市外バスを待っていた、無事バスが来て乗ろうとしたが運転手が切符を受け取ってくれない。なぜだろう?韓国語vs英語(日本語まじり)で口論となった。すったもんだの末、事態が飲み込めた。そのバスは座席でその切符は通用しないのでターミナルで切符を座席バス用のもの(W600)と取り替えろということらしい。(勉強したこともない韓国語を聞いて、これを理解してしまう自分って何者?)しかし同じ路線*に市外バスと座席バスが入りまじって走っている所なんかは、とっても韓国的!設備が同じで値段が倍半分違うのに…

それにしても、初めて韓国に行ってから約4年が経った。つい最近行った時にはあの強烈な路線バスがすっかり陰をひそめていた。その理由は渋滞である。ここ数年で自家用車が急激に増えたということなのだろうか。そんなソウルでは、最近特に地下鉄の伸延が著しい。そんなこんなで、私は長い休みが取れると鉄道に乗る為?海外へ遊びに行ってしまうのである。

特急、無窮花(ムグンファ)号

無窮花(ムグンファ)号

朝鮮統治の象徴、旧朝鮮総督府

旧朝鮮総督府

(’00年:筆者追記)

文中に登場する路線*は、ソウル近郊の金村(クムチョン)ターミナルを起点とし、仏光(プルガン)(ソウル北部市外バスターミナル)を通って新村(シンチョン)へ至る市外バス系統である。全く同じ路線設定で座席バス777系統が設定されている。また、金村は38度線に程近い街であるので、38度線できなくさい雰囲気が漂うと路線途中に常設されている検問所にて、この路線バスを止め軍人さんが鉄砲を片手に車内を念入りに検査するようになります。この旅行の時もこんな雰囲気でした。同行した友人はこの検問の最中、前の座席の陰に隠れて爆睡を決め込んでいましたが、残念ながら銃殺されませんでした。(オイオイ)

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