走破記
雲辺寺(四国霊場第66番札所)でのウルトララッキーがあって、旅行計画では次の日になるはずだった、ここ箸蔵山ロープウェイに一日繰り上がって到着する。ちょうど見慣れない形のロープウェイが山頂駅から降りてきている途中であった。
すかさず超望遠レンズを取り出し写真をとりまくっていたら、改札の中にいた駅員に不審者を見る眼差しで見られてしまった。ここの複式単線固定交走式ロープウェイは日本でここだけのとっても珍しい形式でついつい見入ってしまいますね。
ここの山頂駅近くにある箸蔵寺(四国別格霊場第15番札所)は四国霊場88箇所から外れているからか?、ひとけが極めて少なく。特に明日行くことになる太龍寺(四国霊場第21番札所)が数多くのお遍路さんで賑っている状況とはなんとも対照的である。因みに筆者が乗車した時の乗客は往復とも筆者だけという惨憺たるものであった。大丈夫なのだろうか?
さて、帰りはここから程近い箸蔵駅まで歩いて列車に乗り込み、明日の目的地のある徳島に宿泊することとした。
(メモ)
有名な四国霊場88箇所には、それとは別に別格霊場20箇所というものがあります。このふたつの霊場を併せて回るとちょうど煩悩の数だけ霊場を回る事が出来るように設定されています。このロープウェイの終点にある箸蔵寺はその別格の方の第15番札所にあたります。
この別格霊場を併せて回ることにするならば、ここでは次ぎのように回る必要があります。四国霊場88箇所の第65番札所三角寺の次ぎは、別格の第13番札所仙龍寺、別格の第14番札所椿堂、そしてここ別格の第15番札所箸蔵寺と続き、そしてその次ぎが四国霊場88箇所の第66番札所雲辺寺になります。
写真には駅舎は写っていませんがそれはこの画角の左側にあります。また後ろに有る建物は、現在はその社屋として利用されていますが、かつての旧線ロープウェイの山麓駅でした。さらに、戦前にはその場所からケーブルカーが出発していたようです(どおりで大袈裟なホーム跡があると思った)。
これが複式単線固定交走式(交走式フニテル)です。通常のロープウェイとは違い、搬器がその両側に張られたロープを把持する形式になっています。しかもその両側のロープが全く同じ速度で動くのです。というのもそのロープは実はニ重に張り巡らされた一本のロープだからです。この方式は特に風に対する安定性が高い事にその利点があります。
上から見るとなおさらその構造がよくわかりますね。’99年のリニューアル前まではこのロープウェイは1区線と2区線の2区に分かれていて、途中駅での乗り換えが必要でした。そのかつての途中駅が写真中の支柱の先にあったと思われます。
全線?の動画を作りました、ご覧下さい。なお、動画から戻る場合はブラウザの戻るボタンを使って下さい。
(’02年03月02日取材)